筋力ではない、重力だ
March 24th, 2025
武道や格闘技では力が必要不可欠だ。
相手にいかに効率よく力を伝えることができるか、相手からの力をいかに受け流すか、それが勝敗を決める。
一般的には力=筋力ととらえられている。
格闘家といえば筋骨隆々のイメージだろう。
ボクシングのKOパンチ、相撲の豪快な投げ。
そこには大きな力がはたらいている。
武禅会で養う力は地面とつながる力だ。
地面からの力を相手に伝え、相手からの力を地面へ流す。
自分は相手と地面をつなぐアースとなる。
それはバランスともいえる。
重力のコントロールともいえる。
相手から押されても崩れず体勢を維持することだ。
バランスは筋力だけでは成立しない。
意識、筋肉、神経、物理法則、すべてが統合され連携された力。
太気拳では立禅をはじめとした現代スポーツにはあまりみられない独特の稽古がある。
それらは身体のバランス、そして心のバランスを整えていくための先人からの知恵だ。

自然と建築のバランス、テンペリアウキオ教会