ドラグローブを試してみる

March 14th, 2025

組手でドラグローブを試しています。
ドラえもんの手のようにまんまるの、衝撃吸収力が高く痛くないことがウリのグローブです。

従来の太気拳の組手は素面素手で打撃は基本掌底のみ、というやり方です。
防具を使わず実戦に近い形ですが本気でやると怪我が多発します。
そこで武禅会では安全を第一に、ほとんど触れない程度のマススパーを中心にしています。

軽いマススパーであれば初心者の方も楽しむことができます。
ですが力を抜いた組手だけでは、いざ本気、というときに圧力に負けてしまいます。
軽いスパーで強くなった気分でいることは身の程知らずになり、とても危険です。

そこで多少打ち合っても痛くないと噂のドラグローブを試すことにしました。

ドラグローブのメリット
・外傷はほぼしなさそう
通常のグローブよりもアンコが大きく、また空気穴があるので当たったときに衝撃を吸収してくれます。
高所から落ちる人を助ける為に地面に敷くマットのような構造です。
これだと、目の上が切れる、といった外傷はほぼなくなるのではないでしょうか。

・組手への恐怖心が軽減される
当たってもそれほど痛くないので、技や動きの研究に専念できます。
本当のところ(プロの選手でさえ、いやむしろプロの選手こそ?)組手をするのは、強くなりたいから、というよりも楽しいから、ではないでしょうか。
好きでなければこんな痛いこと、誰もやりません。
私は組手は遊びだと思っていますので、楽しさを増すドラグローブはとても良い製品だと感じています。

・拳頭だけでなく掌部分も当てられる
太気拳は掌から手首、肘あたりまでを相手に接触させる技術を多用します。
通常のボクシンググローブだと掌部分にはアンコが入っていませんが、ドラグローブはまんまるで掌側も衝撃吸収力があるので安心です。
ただ、グローブの中で拳を握ってなくてはいけないので多少感覚は異なりますが。

ドラグローブのデメリット
・打撃面が大きい
グローブ面が赤ちゃんの顔くらいの大きさなので、パンチを当てづらく、逆に防御しやすくなります。
素手なら当てられているところを防御ができた、と思ってしまうこともあります。
素手から乖離するという意味でデメリットに挙げましたが、うまくパンチを当てられるようなるという観点からはメリットがあるともいえます。

・痛くはないが衝撃がある
フカフカのクッションで覆われた棒でガン、と殴られると外傷はなくても衝撃は受けます。
そんな感じで、パンチがきちんと当たると衝撃があります。
これは実戦面を考えるとよいことでもありますが、安全性の向上という目的からするとやはり全力では打ちづらいです。
上級者同士に限りますがドラグローブで効かせるパンチを打つ、というガチ練習もいいですね。

メリット、デメリットとしましたが道具は結局のところ使い方次第です。
武禅会でドラグローブを導入したのは、実は打ち合いの為ではなく太気拳らしい戦い方のありようを探ってのことです。
この目的のためにドラグローブは文句のつけどころがない働きをしてくれています。

ちなみにドラグローブのSサイズとMサイズを試していますが、Mサイズの方が衝撃吸収力が高いため大人の使用であればMサイズがよさそうです。
Sサイズの方が小さくて使いやすいですが、このグローブを使う主目的は衝撃吸収ですから。

強くなる為に稽古しているのに、怪我をしてしまうのは本末転倒です。
安全性と実戦性の両立は難しいテーマですが、研究を続けていきます。

「楽しくみんなで遊んでいたら、思わず強くなっていた」

これが武禅会の目指すところです。

ドラグローブ、楽しいよ