太気拳とスキー

April 19th, 2018

太気拳三保俊敬先生と札幌国際でスキー。

三保先生は太気拳創始澤井健一先生の最晩年のお弟子さんで、我が師、島田道男先生の弟弟子。
つまり私の叔父にあたります。

約20年前、私が太気拳を習おうといくつかの道場を見学させて頂いたとき、その道場のひとつで三保先生が師範代をされていました。
その後は故佐藤聖二先生の葬儀でご挨拶をした程度で、きちんとお話をさせて頂くのははじめてです。

そんな初対面に近い状態で、札幌からスキー場まで約1時間のドライブ。
歳も離れており師匠筋にあたる方と二人きりで1時間、間が持つかな、、、と緊張しながらホテルまでお出迎え。
そんな心配は無用でした。
約1時間、太気拳の術理や澤井先生のエピソード、当時の稽古風景など、私が太気拳門下に入る前の歴史を色鮮やかにお聞かせ頂きました。

ドライブ中、そして後日の稽古中に多くの教えを頂きましたが、その根幹にあると感じたのは、

太気拳の極意は技ではなく力。身体と心のあり方である。

ということ。

澤井先生も「技は三日あれば教えられる」と言われたそう。

もっと話をお聞きしたかったのですが、スキー場に着いたのでとりあえずスキーです。
私はスキー学校で習ったこともなく完全に我流。
昔から滑っているので、ゲレンデであればどんな斜面でもとりあえず滑り降りることはできます。

ですが三保先生はレベルが違う。
人がいない斜面では急斜面でも直下降、コブ斜面は鮮やかにモーグルをこなし、ジャンプ台を見つけたらバンバンジャンプ。

私はスピードがでると制御できなくなるので、いつもはターンを多めにするのですが、先生をお待たせするわけにはいきません。
三保先生が直滑降をするところは、ええいままよ、とばかりにおつき合い。意外と気持ちいい!
ジャンプなんてしたこともありませんが、10歳も上の先生にできて俺に出来ない訳がない、と初挑戦。
ジャンプ台の頂点は上を向いており、飛ぶ瞬間は着地点が見えないことを知りました。
コブに至っては三保先生からいくつかのアドバイスを頂いた途端、モーグル的な滑りが初めてできました。

何事にも先達はあらまほしき事なり。
自分よりもレベルの高い人といるとそれに引っ張られて上達するんだな、と大興奮の日でした。

スキーを終えて夜は太気拳の稽古。
翌日も稽古をつけて頂き、あまりの内容の濃さに消化不良を起こしてしまいましたが、
貴重な伝承をしっかりと我が身に染み込ませて参ります。