技能の体系化としての技術

April 3rd, 2016

1700年以降わずか50年の間に、テクノロジー(技術)が発明された。
テクノロジーという言葉そのものが象徴的だった。
それは、秘伝の技能たるテクネに、体系を表す接尾語ロジーを付けた言葉だった。
「ポスト資本主義社会」P.F.ドラッカー
 
太気拳の源流である意拳の創始者、王向斎は自らの武術体系を「拳学」と称しました。
武術における根源の力とは何か、そしてそれをいかに養い活用するのか、それらを解き明かそうとしました。
「学」であるということは、理があり、条件を満たせば誰にでも再現可能ということ。
 
王向斎は「拳学」という言葉を通じ、「秘伝の技能の体系化」、すなわちテクロジーとしての武術を世に問おうとしていたのでは、とふと思いました。
 
太気拳を学ぶと気功的感覚がより具体的に、科学を身につけた我々現代人が納得する形で体得されます。
それはこのような伝承を受けた武術だからなのでしょう。
 
達人の境地を再現可能なテクノロジーとしての武術。
険しい道のりであることに変わりはありませんが、地図があるのとないのでは大違いです。